今回で「フリーター就職への道」は最終回となります。
第1回では応募する前の事前準備について、
第2回では応募する会社選びについて、
第3回では応募書類、主に履歴書、職務経歴書について解説しました。
ラストの今回の内容はもちろん面接についてです。
ハローワークの求人にしても、人材紹介会社経由にしても採用するかどうかの決め手は最終的に面接に掛かっています。
さらに正社員はおろか準社員や契約社員等でも採用試験で面接を行わない企業はほとんどないので書類選考とは違い、面接は避けては通れません。
今回は就職で不利とされるフリーター向けに面接で受かるための必勝法を書きます。
とその前に大事なことを一つ。
書類選考が受かったということは面接次第で採用される可能性は十分あります。
書類選考が通ったら「絶対受かってやる!」
という気持ちで面接に挑みましょう。
目次
面接の採用基準

ただやみくもに面接を受けても受からない人は絶対に受かりません。
大学の就活ではよく50社、100社受けて内定が貰えないとか耳にしますが、しっかり対策を練って臨めばフリーターでも20社に1社くらいは受かります。(もちろん難しいところばかり狙うと全然受からない可能性もありますが)
受かるためにはまず企業がどういう人材を取るのか、採用基準を知っておかなければなりません。
企業側の採用基準は大きくわけて二つあります。
一つは人間として魅力的かどうか、
もう一つは会社や職務に適した人材であるかどうか、
この二つだけです。
採用基準はなんとなく?
筆記試験や書類選考をして合格ラインにある応募者をわざわざ直接会って精査するのは何故だと思いますか?
「志望動機は何ですか?」
「前職は何故辞めたんですか?」
「何故この会社を選んだんですか?」
このような質問の回答を訊きたいだけなら、今の時代わざわざ直接会わなくてもskypeやLINEでやりとりすることも出来ます。
わざわざお互い時間を割いて、場合によっては交通費まで払って応募者に出社させて面接をする理由は何でしょうか?
それは実際に会ってどんな人かを雰囲気や感覚的に掴むためです。なんとなく好印象な人、人として魅力を感じる人は採用される可能性がグッと高まります。
社会人の経験がない学生等にとっては採用試験の合否が雰囲気とか感覚みたいな感情的なモノで決めているとはにわかに信じがたい話かもしれませんが、実際それ以外にわざわざ直接会う必要なんてないんですよね今の時代。
「挨拶が元気でさわやかだった」
「物腰がやわらかく優しい雰囲気だった」
「質問に対する回答をはきはき応えて誠実さを感じた」
実は面接はこのような理由で受かったりします。
逆に、
「なんとなく暗そう」
「自信がなさそうで仕事が任せられる気がしない」
「なんとなくウザイ感じがした」
のような理由が不採用の決め手となったりします。
試験というだけあってなんとなく合理的に合否を決められている気がしますが実は採用試験の面接は面接を行った人の感情によって決められています。
会社に合っているかどうか
人としての魅力のある人は採用される可能性が高いですが、実際に採用されるかどうかは最後は企業に合った人材かどうかに掛かっています。正直こればっかりはどうしようもありません。
元気な体育会系は多くの職種では良い印象を与えますが中には「暑苦しいタイプは苦手」と感じる職場もあります。
どんなに優秀で魅力的な人材でも100社受けて100社とも受かるとは限らない理由はここにあります。
採用試験はあくまで企業側と求職者のマッチングなので「優秀でも職務に合っていないから」という理由で不採用になる会社も必ず出てきます。
逆に最終学歴高校中退、中年、フリーターでも適していると判断されれば採用されます。
身だしなみと第一印象
ここから面接のノウハウとなります。
まず始めに月並みですが面接に臨む際の身だしなみはとても大事です。
私達のような若者側からすると「外見で人は判断できないじゃん?」と思いがちですが、それは長期的な付き合いがあってこその話です。
面接で一度きり、しかも数十分間顔を合わすだけでは第一印象がそのままその人の印象になってしまいかねません。
下の3枚の写真をご覧ください。



彼らはこの日はモデルさんですが、普段は普通に働いている会社員です(多分)。1枚目の人からはスーツを着て営業をしている姿が想像できませんよね。
私達が彼らのイメージをこの写真からでしか判断できないのと同じように、数十分の面接では終わった後は面接時の印象、イメージしか残っていません。
『人は見た目が9割』という書籍が話題になりましたが、面接では身だしなみで印象を悪くすると9割落とされます。気をつけましょう。
面接は対話であることを忘れないこと

先述した通り、面接の合否は面接者、採用担当の感情で決まります。
つまり面接では用意してきた人間味のない模範解答、模範的な立ち居振る舞いは何の意味もないということです。
イヤラシイ質問をしてくる理由
面接担当者は応募者に対して答え辛い質問を投げかけてきます。
「前職を辞めた理由は何ですか?」
という質問に対しては準備出来ていても、
「その理由だと○○するという方法もあったと思いますがどうして辞めたんですか?」
といったような思わぬ質問を投げかけられて固まってしまうことはよくあると思います。
何故このような質問をしてくるのかというと、応募者に対して嫌がらせをしたいわけではなく応募者の本音、人間性を知りたいからです。
・本当はどう思ってここを受けにきたのか?
・本当は前職で何か問題があって辞めたのではないか?
・前向きなことばっかり言ってるけど本当のところどうなんだろう?
面接官は心理学のプロでもなんでもない普通の人です。応募者が本当のことを言っているのか、受かりたいためにウソを言っているのか表情や雰囲気だけでは分かりません。
そのため様々な質問を投げかけて発言に矛盾はないか、一貫性があるかどうかを確認しているわけです。
役者になるのではなく役そのものになれ
面接では良い印象を与えようとして良い人材であるふうな演技をする人が多いです。
本当は別にその仕事が好きじゃないんだけど好きと言ったり、興味があると言ったり・・・
これらの発言は少し突っ込んだ質問をされると剥がれてきます。面接でウソを吐く人は絶対に採用されません。面接を何十回受けても受からない人はこれが原因である可能性が高いです。
面接では絶対にウソをつかないようにしましょう。
でも好きでもないし興味があるわけでもない場合はどうすれば?
という意見が聞こえてきそうですが、そのための事前準備(第1回目)です。
「その仕事が好きだからしたい」、「面白そうだからやりたい」。これらの言葉はその仕事についてある程度知っておかないと絶対に出てこない発言です。
「実際やってみたら楽しかった」
「友人からよく話を聞かされて見学に行ったら自分もやりたいと思うようになった」
ただ単に「好き」、「興味がある」と言われても相手に全く伝わりません。恋愛だってそうですよね?
面接で「好きだから」と答えたいならまず好きになること、「御社に魅力を感じた」と発言する時は本当に魅力を感じた時にすること。
これを徹底すると面接の合格率は飛躍的に高まります。
何より一貫性、ストーリーが大事

何度も言いますが、面接では人間性を出すことがとても大事です。模範的な回答は何の役にも立ちません。
そして人間性を出すにはストーリー性を出すことが大切です。
例えば派遣を辞めて正社員の採用試験を受けた私の場合、
面「前職を辞めた理由は?」
私「派遣の契約満了だったということと、結婚を機に派遣ではなく安定した正規雇用で働きたい気持ちもあったので、契約の更新の可能性もありましたが自分で退職を決めました。」
面「前職から今日まで3カ月程空いてますが、何していたんですか?」
私「就職活動というか、どうすれば正社員で採用されるかを研究をしていました。いくつか面接も受けましたがこの経歴(転職回数がとても多いので)だと中々受からなくて、就職に関する本を読んだり就職フェアに参加する等していました。」
手前味噌ですが、退職理由と空白期間というネガティブな質問に対して何の違和感もなく答えられていると思います。もちろん事前準備等しておらず、本心というかこの回答以外なかったんですよね。
ネガティブな質問に対する回答の仕方
「どうすれば正社員で採用されるかを研究をしていました。」
面接でこんなことを言う人はおそらく珍しいと思います。当時も面接相手だった社長や部長は笑っていました。
一見不利である内容でも正直に話すことで誠実な印象を与えることも出来ます。
退職理由や前職からの空白期間等、ネガティブな質問は出来る限り自然に、正直に回答した方がいいと思います。
さすがに愚痴っぽくなるのはダメですよ。会社の連中が分かってくれなったとか、上司とこんな理由で上手くいかなかったとか。
前職の辞め方があまり良くない場合はどうしても愚痴っぽくなるので、その際は何か上手い理由を作るのは仕方ないと思います。
それ以外は基本的に正直に回答すると一貫性が保てますしその後の面接が楽になります。
まとめ

今回の話を纏めると、
1.面接の採用基準は感情である
2.第一印象が面接後までも左右する
3.感情で合否が決まる面接に模範解答は意味がない
4.「好きだから」という前に好きになれ
5.ウソはダメ。本音で挑もう
です。
私は面接は受ける前で7割合否が決まると思っています。
面接でのやる気、熱意を伝えるためには事前に準備をする必要があります。まだ見ていない人は連載第1回目のフリーター就職への道 まずは事前準備からをご覧ください。
最後に一言。
冒頭でもお伝えしましたが、書類選考を通過し面接まで行きつけた人は面接次第で合格する可能性は十分あります。
書類が通った会社はすべて採用されると思って面接に挑みましょう。頑張ってください。
※追伸
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