給料はどれくらい上がるもの?昇給の平均額についてわかりやすくまとめます

会社での働きが認められ給料が上がる瞬間は誰にも嬉しいものです。なかには他社の昇給状況が気になって平均額を調べたりする人も多いのではないでしょうか。

昇給額は一般的に平均2%程度(年収400万なら+8万円)と言われていますが会社によって大きく変わってきます。

本ページでは前半で業種や会社の規模別に昇給(賃金値上げ)の平均値について、後半では会社の昇給事情について解説します。

目次

令和元年の平均昇給値を見てみる

昇給に関する平均データは厚労省の公式サイトで公表されています。

それによると令和元年の昇給は以下の通り、おおよそ5,000円前後となっています。

※参考資料:令和元年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況|厚生労働省HP

■規模別平均昇給額

規模(従業員数)平均昇給額平均昇給率
5,000人以上6790円2.1%
1,000~4,999人5722円2.0%
300~999人5204円1.9%
100~299人4997円1.9%
合計平均5592円2.0%

一般的に大企業より中小企業の方が昇給額が小さいと言われていますが、これはそもそも給料自体が小さいためであると言えます。

割合は全体的に見てほぼ同じくらいの印象。

思ったほど大企業も中小企業も昇給額はあまり変わらない印象です。

■産業別平均昇給額

次は産業別に見てみましょう。

産業昇給額昇給率
鉱業,採石業,
砂利採取業
7125円2.1%
建設業8261円2.4%
製造業5724円2.0%
電気・ガス・熱供給
・水道業
5023円1.6%
情報通信業6705円2.1%
運輸業,郵便業4777円1.9%
卸売業,小売業5401円1.9%
金融業,保険業5585円1.4%
不動産業,
物品賃貸業
6909円2.2%
学術研究,専門・
技術サービス業
9165円2.4%
宿泊業,
飲食サービス業
4163円1.8%
生活関連,
娯楽業
4306円1.9%
教育,学習支援業4696円1.7%
医療,福祉3798円1.8%
サービス業
(その他)
4026円1.7%

産業別では下は5,585円(1.4%)から上は9,165円(2.4%)とかなり開きがあります。

業種によって昇給額が大きく変わってくることは一目瞭然です。

全体的にサービス業関連は昇給額が小さい傾向にあり、建設業や製造業、情報通信業等は昇給額が大きい傾向にあります。

昇給に伸び悩んでいる人はそれらの企業に転職すると給料アップが期待できると言えます。

昇給額は会社によって大きく異なる

そもそも昇給額の平均値はすべての会社の昇給額を足した額をその会社の数で割った値です。そのため当然ながら1つ1つの会社はもちろん、社員によっても大きく金額が異なってきます。

平均額は上がったとしても、自社の売り上げが思わしくなければ世間並みに昇給するとは考えにくいでしょう。また場合によっては、全く昇給をしないケースもあります。

下記のリストは、業種別に昇給の有無をまとめたものです。

  • 宿泊業、飲食サービス、運輸業、郵便業:50%が実施せず
  • 生活関連サービス業、娯楽業:30%実施せず
  • 建設業、教育、学習支援業、金融業、保険業、医療、福祉:25%実施せず
  • 製造業・卸売業、小売業:20%実施せず

参照書籍:うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ

実際には、業界の半分以上が昇給が行っていない場合もあり、昇給の平均額を参考にすることは意味がなさそうですね。

突然昇給がなくなるケースも

昇給するということは社員の給料が上がるのですから、当然会社にとっては人件費の増加を意味します。会社の体力がなければ、安易に昇給させるのは難しいでしょう。

しかも、いったん上げてしまった給料は、それ以降も最低限その金額を払い続けることとなります。毎年売り上げが増加しているのであれば可能かもしれませんが、そうでない場合は昇給が原因で経営が破たんしてしまう可能性があるでしょう。

元々昇給とは売り上げが右肩上がりであることを前提としたシステムです。なので不景気となり思うような売り上げが見込めなくなったとき、突然昇給がなくなってしまうケースも考えられます。

昇給の裁量権は会社が持っている

昇給するかしないかの決定権は当然ながら会社側にあります。労働者側がいくら給料を上げて欲しいと願っても会社が認めなければ昇給はありえません。

こういった昇給を含む働く上でのルールは会社が作る就業規則によって事前に定められています。例えば「業務成績に応じて毎年必ず昇給する」という趣旨のことが書かれていれば、会社はそれを守らなくてはいけません。

ただし「業績悪化でやむを得ない場合は昇給しない」等の文言が但し書きとしてある場合には、それを理由に昇給がなくても法律上違反とはならないのです。

気にしなければ就業規則を見ることはあまりないかもしれませんが、法律では「誰もが容易に見ることができる」ようにしなければならないとされています。自分の会社にはどういったルールがあるのか知りたい方は、一度確認してみてはいかがでしょうか。

昇給額の増加は期待できない

前述のように昇給システムが崩壊している以上、簡単に昇給は望めなくなってきました。

会社の売り上げが増加しないと、払い続けるだけの体力が会社にはなくなるからです。将来に渡り売り上げが見込めれば給料を上げることもできるのでしょうが、この不景気の中では昇給に足踏みをしてしまう経営陣も多いことでしょう。

業種によっては昇給がないなどと紹介してきましたが、継続的に昇給を実施しているのは公共的側面の強い「電気・ガス・熱供給・水道業」や「学術研究、専門・技術サービス業」などの専門分野くらいでしょうか。

昇給以外で年収をアップさせよう

現在は昇給額の平均も下がり、昇給自体がなくなっている会社もあります。

では、そのような状況の中で、どうやって年収をアップさせればいいのでしょうか。

下記では、昇給以外の年収アップの方法を3つ紹介します。

役職を上げる

まずは役職を上げることが考えられます。役職が上がれば基本給も上がるでしょうし、役職給が設定されていればその分給料の増加も見込めます。

ただし手を挙げれば誰でも出世できるわけではないため、まずは周りに認めてもらうためのスキルや実力が求められます。

それと同時に、出世をするということはその分部下も増えることになるため、人に教える能力や管理する能力も必要となるので注意しましょう。

伸びている部署に異動する

所属している部署を変えてしまうという方法もあります。

自社の中で成長が見込める部署があるのなら、選択肢に入れてみても良いのではないでしょうか。業績次第では今の部署よりも給与やボーナスが増える可能性は十分に考えられます。

例えば新規事業を立ち上げる場合は会社も力を入れるでしょうし、海外事業も可能性は未知数ではありますが狙い目といえます。

実際建設業では伸び悩んでいる国内事業から、成長する可能性のある海外事業に異動し、給料アップに成功したという事例もあります。またそういった海外の経験が実績として認められ役職が上がるケースもあるでしょう。

転職が一番効率的な方法

ただし、すべての会社が役職を上げたり異動したりすることで、大幅な給料アップが見込めるとは限りません。

出世をしたのに責任ばかりが重くなって給料がそこまで増えないなんてことも考えられますし、そもそも配置転換する部署がない場合もあるでしょう。

そういった場合には転職がオススメです。ただし転職したからといって一概に給料が上がる保証があるわけではないので注意は必要です。

では転職を成功させた人の特徴にはどういったものがあるのでしょうか。

年収を上げる転職の方法

大手転職サイトdoda(デューダ)では調査結果から「年収アップ成功者」の特徴やその傾向をまとめたものを紹介しています※。

それによると年収アップ成功者が最も多かったのは28歳。次いで29歳、27歳の順となっており全体の傾向を見ると20代後半の割合が多いよう。

また業種別で年収アップ成功者の数を見てみますと専門商社、人材サービス、金融の分野でその数が目立っていました。

転職には不安がつきもの。ましてや初めての転職であればなおさらでしょう。

しかし年収アップ成功者を転職回数別に分けると「転職回数0回」の人の割合が半数以上との結果になっており、初めての転職は年収アップのチャンスとも見て取れます。

参照記事:doda|転職で年収アップするのはこんな人 年収アップ成功者に見る傾向と対策

※調査対象は2013年1月~2014年6月にdodaエージェントサービスを利用して転職した方。そのうち転職前の年収が300万円以上の方で、年収アップ額上位6,000名を「年収アップ成功者」として集計

まとめ

昇給の平均額は参考になりません。

なぜなら、昇給額は会社によって大きく異なり、昇給自体がしなくなった会社も増えているからです。

なので、「年収を上げたい」と考えている人は昇給以外で給料を増やすしかありません。

その方法は、「出世、部署移動、転職」の3つで、最も効率的なのは転職でしょう。

ただし、転職をしたから必ず給料が増えるわけではないので注意してください。

転職で年収アップした人に多い特徴が、20代後半で「商社、人材サービス、金融業界」に就職した人です。

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