式典や結婚式などでは、フォーマルな装いでの出席が求められます。
しかし、具体的にどのような恰好が「フォーマル」なのか、ふさわしい服装なのかは判断に迷うところです。
そこでこの記事では、メンズのフォーマルな服装について、そもそもどのような服装ならフォーマルといえるのか、どのような場面で必要なのかを解説していきます。
フォーマルな服装とは?
まずは「フォーマルな服装」の定義から考えていきましょう。
言葉の意味やフォーマルな装いが必要になる場面などを解説します。
フォーマルの意味は?
フォーマルという言葉の定義について辞書を引くと「公式であるさま、格式ばったさま」と記載されています。
「この場面であればフォーマルな服装が必要」と明文化されているわけではありませんが、礼を尽くすべき相手や場面に対しては、相応の格式のある装いが求められます。
どういう場所、場面?
では、具体的にどのような場面や場所であれば、フォーマルな服装がふさわしいのでしょうか。
フォーマルな服装が必要な例としては、たとえば以下のような場面が一般的です。
【フォーマルな装いが必要な場面(一例)】
- 冠婚葬祭
- 各種式典への出席
- 祝賀会
- 結婚披露宴
これらの場面では、特に指定がない限りフォーマルな装いをすべきとされています。
その他、ホテルでの食事会やレセプションパーティーなど華やかな場でも、格式ある服装での出席が求められることが多いです。
フォーマルな装いにはランクがある
実は、フォーマルファッションにはランクが存在し、場の格式や自分の立場に合わせて相応しい服装が異なります。
そのため服選びを考える際は、まずどのようなイベントにどのような立場で出席するかを整理しなければなりません。
ランクごとの場面と服装を見てみましょう。
正礼装
正礼装は、フォーマルファッションの中でもっとも格式の高い装いで、あまり頻繁に着る機会はありません。
【正礼装が必要な場面(一例)】
- 国家的な式典で賞の授与を受ける
- 結婚式で新郎新婦の父親として出席する
- 格式の高い祝賀会に主賓として出る
など、とくに格式の高い場にメインゲストとして出る場合の服装です。
おもに昼間の式典ではモーニングコートを、祝賀会など夜間の宴の場ではイブニングコートがふさわしいとされます。
天皇陛下が式典にご出席の際や、国民の前にお出ましになるときにお召しの服装、というとイメージしやすいかもしれませんね。
準礼装(セミフォーマル)
正礼装に次ぐ格式の服装が準礼装(セミフォーマル)と呼ばれるものです。
式典や結婚式などに主賓として出た場合はおもに準礼装の装いとなります。
ディレクターズスーツやタキシードが準礼装での一般的な服装とされます。
略礼装(インフォーマル)
準礼装より格下にあたるのが略礼装(インフォーマル)です。
結婚式など冠婚葬祭に一般ゲストとして招待された場合などは略礼装で出席します。
略礼装の服装は、礼装用のブラックスーツが一般的です。
礼服とビジネススーツの違い
礼服として広く着用されるブラックスーツは、ビジネス用のスーツと形状が類似しているため違いが分からない方もいるかもしれません。
この二つの大きな違いは「素材」「色味」です。
まず色を比較すると、ブラックスーツはビジネススーツより深く、漆黒に近い黒色をしています。
一方ビジネス用のスーツは礼服と比べるとややグレー寄りのカラーです。
素材面では、ブラックスーツはウールを主に使用しており、艶やかな光沢があるのが特徴です。
ビジネススーツの素材には、実用面から化学繊維とウールが混紡されているものが多く、日常使いを前提としています。
比べてみると礼服の方が上品な印象を与えるため、外観は明らかに異なります。
とはいえ現在では、一般ゲストとして通常の結婚式などに参加する場合なら、場に応じたデザインのビジネススーツでも失礼には当たらないという考えが一般的です。
大人のマナーとして礼装用のスーツを持っていた方が無難ですが、手配が間に合わない場合などはビジネススーツでも問題ありません。
フォーマルなファッションアイテムとは?
葬儀や結婚式に呼ばれた場合、どのような服を着ればよいのでしょうか。
フォーマルファッションを、トップス・ボトムス・アウターに分けて考えてみましょう。
フォーマルなトップス
男性のフォーマルな装いでは、基本的にトップスはワイシャツ一択です。
なかでも光沢のあるブロード生地のものが好ましいです。
色は白が最も無難ですが高いですが、カジュアルな結婚式や二次会では青など色付きのワイシャツもOKな場合があります。
襟型はとくに指定されていませんが、最も無難なのはレギュラーカラーです。
結婚式など華やかな場ではボウタイ(蝶ネクタイ)と相性のよいウィングカラーもおすすめです。
ただし、ボタンダウンシャツはカジュアル色が強いため、礼装用のワイシャツとしてはNGです。
仮に結婚式などで着用したい場合は二次会から着替えるようにしましょう。
フォーマルなボトムス
礼装用のボトムスは、基本的にスラックスのみです。
礼装用のジャケットとセットになっているスラックスを選ぶのが無難です。
結婚式用のスーツを上下別で購入する場合は、礼装用として販売されているもののなかから、無地の黒かグレー・ネイビー等を選ぶのがおすすめです(葬儀用であれば黒のみ)。
フォーマルなアウター
フォーマルな場で着用するアウターは、礼装用のジャケットと、ジャケットの上から着るコートです。
正礼装・準礼装ではジャケットは黒が推奨されますが、友人の結婚式に出る場合は略礼装で出席となります。
この場合はネイビーや濃いグレーなどのダークカラーもOKです。
秋から冬にかけてコートを着用する場合、スーツの上から着用する前提のものを選びます。
落ち着いた色合いで装飾の少ないものが望ましいでしょう。
おすすめはチェスターコートやステンカラーコートなどです。
フォーマルな装いでおしゃれをするには
フォーマルな場面は「失礼のない服装かどうか」に意識が向きがちですが、お祝いの場であればおしゃれも楽しみたいところ。
とくに結婚式やパーティーなどは出会いの場になることもあるため、華やかさをプラスして周囲に差をつけてもよいでしょう。
たとえば結婚式に出席する場合であれば、以下のようなアイテムで装いをワンランクアップさせることができます。
【フォーマルファッションでおしゃれをする方法(一例)】
- ワイシャツのうえにベストを着用する
- 袖にカフスボタン(カフスリンクス)をつける
- ジャケットの胸にポケットチーフを差す
いずれも礼装やスーツを販売しているお店であれば取り扱っているアイテムです。
興味があれば覗いて見てください。
なお、アイテムの色やデザインによっては全体の色味のバランスが崩れる場合もあります。
着用を検討する際はお店のスタッフに相談しながら決めると失敗しにくくなります。
ぜひお試しください。
着用シーンに合わせた装いを考える
フォーマルファッションには段階があり、どの服装が合っているのかは場面や状況によって異なります。
基準となるのは「どのようなイベントに」「どのような立場で」参加するのかです。
同じイベントでも、主催側や主賓に近い立場での参加であれば、より格式ある服装がふさわしいこともあります。
まずは参加にあたっての状況を整理してみましょう。
相応しい服装を判断することが難しければ、礼装を販売しているお店で事情を説明して相談してみましょう。
適したアイテムをピックアップしてくれますよ。
参考サイト:
Goo 辞書 フォーマルとは
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