結婚当初は仲の良かった夫婦でも、ちょっとした出来事が積み重なり関係が悪化することはあります。
なかには、離婚には至っていないが家庭内別居状態に陥ってしまっている人もいるでしょう。
夫と家庭内別居になってしまったとき、大切なのは相手を理解して対策を練ることです。
この記事では、家庭内別居中の夫の心理と、対応のために何をするべきかポイントを紹介します。
家庭内別居とは?
そもそも「自分たちは家庭内別居なのか分からない」という人のために、家庭内別居がどのような状態なのかをみてみましょう。
家庭内別居=会話がなく同居している状態
一般に家庭内別居とは、同じ家に住みながら夫婦間の会話がほとんどない状態が長期間続いていることを指します。
正確な定義は決まっていませんが、以下のような特徴に当てはまるケースは家庭内別居といって良いでしょう。
- 同じ部屋にいてもお互いに話しかけない
- 食事を一緒にしない
- 顔を合わせない
- お互い何をしているのか知らない
- 当然夫婦の営みもない
ただし、ギスギスしながらも最低限の業務連絡だけはしている場合や、反対に一切交流がない場合など家庭によって違いはあります。
どのケースも夫婦仲が険悪なことには変わりなく、良い状態とはいえません。
離婚や浮気・不倫に繋がるケースも
家庭内別居状態が続く家は、お互いにとって居心地が良いとはいえません。
長く続くと配偶者への愛情も冷めてくることが多いです。
険悪な夫婦関係に耐えきれずに離婚を検討する、家庭の外に恋人を作ってしまうといった人もいます。
そうなると夫婦関係崩壊へ秒読みの状態です。
「関係を改善したい」という気持ちがあるなら、早期に対策する必要があるでしょう。
仮面夫婦と家庭内別居の違い
家庭内別居と似た言葉として、対外的には仲の良い夫婦を装う「仮面夫婦」があります。
仮面夫婦は「仲が良い様子を装う」ということに関しては夫婦で協力している状態のため、全く交流がない家庭内別居とは様相が異なります。
改善ができるかどうかはケースバイケースですが、家庭内別居と比べると夫婦仲を回復させるきっかけは掴みやすいことも多いです。
家庭内別居中の男性の心理とは?
妻と家庭内別居中の男性は何を考えているのでしょうか。
夫側の心理状態を考えてみましょう。
妻との話し合いが面倒で避けている
ケンカや価値観の相違が原因で家庭内別居状態になったケースでは、妻との話し合いが面倒で避けていることが考えられます。
女性との話し合いが苦手な男性は多く「攻められるのが嫌だ」「面倒くさい」といった気持ちから妻と話し合うことを嫌がります。
妻側も話しかけなくなった結果、家庭内別居状態が長期化してしまうのです。
意地を張って自分から話しかけられない
頑固な性格の夫に多いのが「相手に非がある」という思いから自分から話しかけることができないケースです。
相手が謝ってくれば受け入れる用意はあるものの、妻も同じように考えているため行き詰まり、事態が好転しません。
往々にして「自分から声をかける=非を認める」ことだと思っている場合も多く、話し合いそのものが始まらないことも多いです。
妻とどうコミュニケーションを取れば良いか分からない
多くの男性が、一度家庭内別居に陥った妻とどう話すべきか、コミュニケーションをどのように取っていたか分からなくなってしまいます。
「何を言っても嫌な顔をされるのではないだろうか」「自分の考えを否定されるのではないだろうか」と思い、話しかけられないままずるずると長期化するのです。
また、夫に非がある何かしらのトラブルが原因で家庭内別居に陥ったケースでは、その問題に触れたくないために口を利かないこともあります。
心が離れてしまっている
家庭内別居中の夫のなかには、完全に妻から心が離れてしまっている人もいます。
このケースは、すでに妻との仲そのものはどうなっても良い、と考えている人が多いです。
仲自体は険悪でも、子供の存在や離婚の準備ができていないなど、理由があって同居を継続しています。
このタイプは家庭の外に恋人を作っていることも多く、浮気相手の存在が夫婦間の心理的距離をより大きくしがちです。
会話するタイミングを失ってしまっている
これは実際に筆者の友人の話ですが、過去に妻と喧嘩をして、そのまま仲直りが出来ずにずっと会話が出来なくなっているケースがあります。
喧嘩して会話をしない状況が続くと、「今更話しづらい」という心理が生まれ、いつの間にか数年ほとんど会話していないという状況になったりもします。
この場合、お互いに「今更仲良くできない」という気持ちが強くなり、修復が難しいです。
家庭内別居から夫婦関係を改善するには?
夫婦関係が険悪で家庭内別居中の家は居心地が悪く、どちらにとってもよい状態とはいえません。
放っておいても問題は解決しないため、早めに状況を改善することが大切です。
家庭内別居の状態が続いている場合、妻の立場で何をすればよいのでしょうか。
妻の方から歩み寄りを見せる
夫に原因があると考えている場合、自分のほうから歩み寄るのは釈然としない、という人もいるかもしれません。
しかし、家庭内別居が続いても良いことはないため、まずは改善のために妻側から働きかけてみることも選択肢の一つです。
ここで大切なのは、必ずしも「歩み寄り=非を認める」ではないということです。
問題を夫婦のものとして捉え、解決のための話し合いや、協力のための用意があることを夫に示すことで、状況の改善に向けた一歩を踏み出すことができます。
普段まったく口も聞かないような状況であれば、まずは夫にも明確に伝わる形で態度を軟化させてみてはいかがでしょうか。
コミュニケーションのきっかけを作る
お互いに会話がない状態で、口を利くタイミングが掴めないのであれば、まずはコミュニケーションを復活させるきっかけを作ってみましょう。
手段は何でも良いのですが、日常生活の延長で無理なく始められると、心理的抵抗も小さいのではないでしょうか。
例として、以下のような方法があります。
- どちらかが出かけるときに「行ってきます」「行ってらっしゃい」の挨拶をする
- お弁当に「仕事頑張って」などとメモを仕込んでみる
- 食事を別にしているなら料理だけでも二人分作ってみる
夫側は、最初は「今更なんだよ」と思っても、続けるうちに態度が軟化してくることもあるようです。
無理のない範囲で始めてみましょう。
夫婦関係改善のカウンセリングを受ける
夫婦のどちらも「現状のままではよくない」という認識を持ちつつも、当事者間では問題を解決できない場合、夫婦関係改善のためのカウンセリングを検討できます。
夫婦のどちらか、または両方でカウンセリングを受け、第三者の視点からアドバイスを受けることが可能です。
気持ちに寄り添いながら話を聞いてもらうことができ、解決のための道筋が明確になります。
夫婦関係改善のカウンセリングは、各カウンセリングセンターへの訪問のほか、オンラインで受けられるところもあります。
自分の都合や悩みに沿ったカウンセリングが可能かどうかチェックしてみてください。
調停を利用する
当事者での話し合いが一切できないほど夫婦仲が険悪な場合や、夫がとりつく島もない態度を取っているケースでは、裁判所の調停を利用することも視野に入れてみてください。
担当の調停委員に対して、交互に自分の言い分を伝える形で話し合いが出来るため、知らなかった夫の本音や希望に気付けることがあります。
また、妻からの働きかけは無視する夫でも、裁判所からの呼び出しには応じる可能性があります。
夫婦関係改善のための調停は「夫婦関係調整調停(円満)」という手続きが対象です。
離婚するべきか迷っているときも利用できます。
ただし、調停の呼び出しを無視しても罰則などはありませんので、夫が呼び出しに応じない可能性はあります。
確実に問題を解決できるとは限らない点に注意してください。
まずは夫の様子を観察し対策を考える
夫と家庭内別居中で、なんとか改善できないかと考えているのであれば、まずは夫の様子を観察してみましょう。
一口に家庭内別居といっても、夫の心理は人によってさまざまだからです。
妻側からの働きかけや努力で解決できるのか、外部の協力が必要なのかもケースバイケースです。
状況を客観的に把握するために、紹介した改善方法を無理のない範囲で試し、様子をみてみましょう。
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